「保健室に行くぅ?」

「ううん…。悪いけど、今日は帰るわ。先生に言っておいてくれる?」

青ざめた表情で、無理やりの笑みを浮かべると、ミナは泣きそうな顔をした。

「分かったぁ…。帰るの、一人で平気?」

「家の人に迎えに来てもらうから、大丈夫。ごめんね? 後はよろしく」

そう言ってマカはカバンを持ち、立ち上がった。

不安そうな面持ちでクラスメートが見ている中、ただ一人、サクヤだけはうっすら笑みを浮かべていた。

その様子を見て、マカは確信する。

―サクヤは自分と同じように、人の姿をしているが、人成らざるモノだと―