「ったく…。そっちの問題をこっちに持ってくるな。うっとおしい」

「こちらとしても、異国のモノに頼りたくはないんですよ。他に方法がないのですから、しょうがないじゃありませんか」

「抜かせ。栄えるも滅びるも、己の一族の問題だろう。受け入れることができず、ムダな足掻きばかりしおってからに」

忌ま忌まそうに言い放つマカを見て、流石のリリスも言葉と顔色をなくす。

「…マカ先輩って本当に容赦ないですよね。それ、血族の前でも同じですか?」

「当たり前だ。同属の前でキャラを演じたところで、得になどならん。逆に舐められるだけだ」

次期当主ということで、マカには敵が多い。

故に大人しくしているということは、教わらなかったのだろうと、リリスは心の中で思った。