「そうですか。では今回はこれで構いません」

ミツルは面白い物を手に入れたという表情で、名刺を手に取った。

「これからもご縁ができると嬉しいです」

「まっ、どうなるかは運次第だろう。リリス、そろそろ行くぞ」

「ですね」

二人は綺麗に芋ようかんと緑茶を片付け、立ち上がった。

ミツルとマナは店の外まで見送りに来た。

「ところでそのサクヤという人物、あなたに何かしてきましたか?」

「今のところは特に。私が逃げ出したというのもあるがな」

サクヤのことを思い出し、マカは苦々しい気持ちにさせられる。

「いくら私でも、見知らぬモノを知人として扱うことは難しいし、突然過ぎた」

「そうですね…。まああなたが目的ならば、そう遠くないうちに何かやるでしょう。くれぐれもご注意を」