その無表情と声は、とてもではないが接客業をしているとは思えない。

しかしマカも淡々と答える。

「アンティークショップを営むカガミの紹介で来た。こちらにミツルという情報屋がいると聞いてな」

そう言ってカガミから預かった手紙を女の子に差し出す。

黙って受け取り、中を確認した後、女の子は頷いた。

「少々お待ちを。店主を呼んでまいります」

女の子は再び店の奥へと引っ込む。

「…何だかちょっと、マカ先輩に似ていますね」

「そうか?」

「あの淡々としたところが特に。ですがあの雰囲気は…」

「ミコトに似ている、な」

リリスとマカは眼を細めた。

ミコトには重く暗い空気を感じ取っていた。