「―なるほど。彼、ですか」

リリスは双眼鏡で、マカのクラスを見た。

「見た目は特に不審な感じはありませんね。実際会ってみれば何か分かるかもしれませんが、向こうにわたしの正体がバレる危険性がありますので」

「ああ、接触は最後の手段だ。見ただけでは何も感じないか?」

「そうですわねぇ…。まあまとう空気が人間とはちょっと違うように感じます」

双眼鏡から視線を外し、リリスは顔をしかめた。

「しかしどこの者という断定はできかねます。ある程度は気配を抑えているみたいですし、わたしはこの土地の能力者にはあまり詳しくないもので…」

「異国のモノ、だものな。魔女は」

「お役に立てず、すみません。とりあえずカガミの所へ行ってみませんか?」