六花の約束

「…どれだけ心配したと思っているのですか」

本当に、心配した。

戻ってこなかったらどうしようって。

…怖かった。

もし、迷っていたら…凜は…。

「…城にはお見えにならないし、聖域にもいない。焦りましたよ」

「…ごめん」

今回は、凜自身に迷惑をかけたという自覚があったのだろう。

素直に謝った。

でも、凜は本当に凜自身に非がないときでも謝る。

…優しすぎる姫様だ。

城に着いた。

「さ、お支度をしてください。津田様をお待たせしてはいけないでしょう」

「…分かった」

いやいやなのだろうが、凜は頷いた。

…あ、いやいやなわけないか。

津田様に惚れかけてるんだから…。

むしろ、嬉しい…?

そりゃそうか。

好きかもしれない人に、綺麗になった自分をみてもらえるんだ。

嬉しいに決まってる。

…凜は素がいいからな…。

化粧しても、かんざししても、何でも似合うんだろう。

いつも袴じゃなくて、女らしい格好してればいいのに。

……凜は嫌がるだろうけど。

…そろそろ、支度終わったかな?

凜がいる部屋に行ってみる。

「凜姫様、お支度ができましたか?」

部屋の障子が開いているから、終わっているのだろう。

でも、返事がない。

「凜姫様?津田様がおまち…」

部屋のなかにいる凜をみて…びっくりした。

ものすごく……綺麗だったから。