六花の約束

だけど、少し離れてもらうから。

「凜姫様、行きますよ。お支度がまだです。…津田様、後ほど」

「…分かった。悪かった…。津田さん、また後で」

津田さん?

そんなに仲良くなってたんだ…。

「あ…ああ…」

まだ驚いているのかな、津田様。

まぁ、そうか。

普通の娘だと思っていた人がまさか見合い相手だとはな…。

思ってもいなかっただろうな…。

「…蘭」

凜が話しかけてきた。

「……なんです」

あ、いけない…。

思わず、いらついた声が出でしまった。

…凜に嫉妬をぶつけたって、意味なんてないのに、いらいらする。

本当は、他の男に好意なんて持ってほしくない。

でも…そんなこと言ってたらだめだ。

凜は、俺のものじゃないんだから。

「なんで、そんなに怒ってるの?」

「………」

あほなのか、この子は。

それとも、鈍感なのか。

俺が怒っている理由は2つ。

一つは、凜が消えたから。

もう一つは…絶対に言えないけど、凜が津田様と仲良くなってたから。

…なんていう嫉妬深い、馬鹿な男なんだろう、俺は。