六花の約束

「……凜姫様」

「…なに…」

もう、あなたの前から消えてなくなりたい。

それなのに、蘭があたしを呼び止めて、あたしが立ち去ろうとしないのは、まだ蘭と話したいと思ってるから。

……あたしはどれだけ弱いんだろう。

好きと言うこともできず、嫌うことも、嫌われることもできず。

あたしは結局、昔からなにも変わっていないのだろうか。

だから、蘭の変化に戸惑い、その変化を嫌だと感じるのだろうか。

あたしが成長していないから。

成長していれば、蘭の変化を嫌だとは思わなかった?

…それは、ない…。

だって、あたしは蘭だけがずっと好きなんだ。

好きな人に態度を変えられたら、嫌だ。

……蘭。

あなたは…今、何を思っているの?

なんで、嫌いなあたしを呼び止めた?

理解ができない…。

「もう、行くよ」

「…っ……はい」

何かを言いかけて、やめた。

それでいい。

もう、あたしと関わるのを、やめよう。

そしたら、蘭は…

幸せに、なれるはずだから。

「…っ…」

…好きな人に嫌われるのって、こんなに辛いんだね…。

……誰かに、知ってほしい。

だけど、言えない。

どうすればいい?

…もう、なにもかもが…解らない…。