六花の約束

とっさに顔をあげても、父上は出て行った後だった。

まじか……。

いきなり二人きりとか、勘弁して…。

なに話すのさ!?

いまだに頭を下げている、隊長さん。

ん~、あ!

そういえば、同い年だっけ?

って考えていると、突然、

「お久しぶりにございます、姫様」

と言われた。

……久しぶり?

「え…?」

会ったこと、あるの?

「覚えていらっしゃいませんか…?」

「……ちょっと待って」

必死に思い出そうとするが、仲がよかった同い年の男の子なんて、会いたい人しか思い浮かばない。

「…名前。自己紹介しよう。あたしは、海瀬凜。一応、姫。得意なことは剣。よろしく」

……これでいいのか?

「…私の名前は…」

隊長さんは、いままで下げていた頭をあげながら、あたしにとって衝撃的な名前を発した。