六花の約束

「凜姫様?」

「…蘭。あなた、あたしに結婚してほしかった?」

もう、いい。

嫌われているのなら、とことん嫌われてやる。

「蘭。あなた、あたしが嫌いなんでしょう?だから、あたしにだけ冷たくするのよね」

「…凜姫様?」

蘭が驚いている。

けど、そんなの構わない。

嫌いになればいい。

あたしを。

蘭が、嫌いになってくれれば…あたしは…。

「…凜姫様、どうなさったのです。私が凜姫様を嫌いになど、なるはずが…」

「じゃあなんで!?なんで、あたしには冷たくするの!?」

蘭の言葉を遮って、話す。

もう、なにもかもが辛い。

自分が、どんどん嫌いに、なる。

自分を愛せない人間が、他人から愛されるはずがない。

だから。

あたしは自分を嫌う。

あたしにとって、結婚したい相手は、蘭だけなの。

蘭が他の人を想っているから。

だから、あたしは蘭に嫌われたい。

そしたら、あたしは結婚しなくていい。

…これは、逃げてるだけ。

あたし自身も、考えている意味が分からない。

なにが言いたいのか、分からない。

それでも、いい。

蘭が幸せになってくれるのなら。

あたしがどうなろうと、どうでもいい。