六花の約束

あたしは蘭に審判を頼んで、津田さんと一本勝負をした。

もちろん、お互い本気で。

「…では、始めっ!」

蘭の声が響く。

お互いに間をとる。

…津田さんは、どういう手口でくるんだろう?

できれば、蘭の動きを試してみたいんだけど。

…できるかな?

その瞬間。

津田さんが斬り込んできた。

おおっ!

力強っ…。

さすがは男の人。

女の力じゃ…あまり太刀打ちできない。

あたしは頑張って津田さんの竹刀を止めて…。

蘭の動きを、再現してみた。

無我夢中…っぽくて、自分で何をしたのか解らなくなった。

…次に、あたしの目に映ったのは。

竹刀を飛ばされた津田さんの姿だった。

「…勝者、凜姫様」

…あたし、勝ったの?

「いやぁ、さすが凜姫だな…。強いよ」

津田さんはにこやかに、あたしに話しかけてくる。

「…あたし、何やった?」

「は!?あんな速いの、見たことないんだけど。覚えてないの!?」

驚いている、津田さん。

「…覚えてない…」

…じゃあ、あたしはまだまだ蘭には遠く及ばないってことか…。

稽古、頑張ろう…。

「すごかったよな、蘭之介君」

なんで、蘭にふる!?

蘭、びっくりしてるし。

「…はい、前よりもとても速かったです」

…蘭に、誉められた…?

やった!

もっと頑張ろうっ!