「ん…」

もう朝…?

にしては、暗いなぁ。

曇りなのかな?

あたしは夜着のまま、廊下に出た。

空を見上げる。

「…曇りだ…」

嫌だな…。

どんよりしていて、曇りは好きじゃない。

それに…なんか、嫌な感じがする。

「…姫様?」

いきなり呼ばれて、横を見てみると。

日海がいた。

「おはよう、日海」

「あ、おはようございます」

「どうかした?」

あたし、何もしでかしてない…はずなんだけど。

「いえ、今起こしに参ろうかと思っていたところでしたので」

ああ、起こしに来てくれたのか。

「ありがとう。でも、なんか目が覚めたから」

本当に、なぜか。

いつもは、あまり寝起きがよろしくない。

なのに、今日は自然と目が覚めた。

…なんか、おこる……?

気のせいだったらいいな…。



それからあたしは、支度をして、津田さんの相手をするために稽古場へ行った。