六花の約束

そしてあたしは、日海と別れ、別の女房に連れられて父上の部屋に来た。

「殿様、凜姫様をお連れいたしました」

「凜、入りなさい」

「…失礼いたします」

障子を開けて、中に入る。

てっきり、親衛隊隊長もいると思ってたのに、父上だけだった。

「…父上。なぜあたしに秘密で親衛隊隊長をこの城で5日間も過ごさせたのですか」

単刀直入に聞いてやった。

「…凜、許せ。そなたに驚いてもらいたかったのだよ」

苦笑して謝る、父上。

「別に、父上のなさることです、過ぎたことに口出しするつもりはございません」

日海に散々愚痴ったからもういいわ。

「凜、こっちに来なさい」

言われたからあたしは父上のとなりに行った。

すると、

「入って良いぞ」

と、いきなり父上がおっしゃった。

……いよいよか…。

顔は見てみたいが、最初だから、うつむいておく。

「失礼いたします」

澄んだ綺麗な声。

障子が開けられる。

人が入ってくるのが分かる、衣擦れの音。

「よくぞ参った。これより、そなたを凜の親衛隊隊長とする」

「はっ!ありがたき幸せ。私は、我が命を差し出して姫様をお守りする覚悟でございます」

お決まりのような言葉を並べる、隊長さん。

本気でそんなこと思ってるのかなーって、いつも思う。

失礼だけど。

「では、凜。親衛隊隊長と話でもしなさい。二人で。私は妻のところへ行く。じゃあな」

は!?

「ちょっ、父上!?」