はー…。

こんなに楽しい見合い、初めてだったな…。

あたしは月を見ながら思った。

明日、津田さんは帰るので、その前に剣の相手をすることになってる。

楽しみ…。

けっこう強そうだからな。

けど、もう負けられない。

相手が誰であっても。

自分の身は自分で守る。

そのくらいのことをしなければ…

蘭に、必要とされない。

邪魔だと思われたくない。

だから…という理由もあって、あたしは剣を頑張ったんだ。

…蘭…。

今日、あれから会ってない。

会ったとして…何話そう?

何か、話題…。

何もないな…。

よし、明日、津田さんが帰ったら稽古をつけてもらおう。

そうすれば、一緒にいられる。

…明日が楽しみだ。

そしてあたしは、明日に備えて、眠りについた…。