六花の約束

「私、人の心情とかよく分かるんだ。昔から、人の顔色ばかり見てたから」

少し悲しそうな表情。

「…人の、顔色…?」

そんなこと、あたし、気にしたことあったかな。

ないと思う。

そっか。

津田さんは、いろいろと苦労してるんだな。

あたしには、全然分からないような。

「そういえば。津田さん、年いくつ?」

「19だが…。いきなりどうした」

「いや…。そういえば、年知らないなぁって思って」

一応見合いなのに、お互いの年も知らなかった…。

ていうか。

あたしと4つしか変わらないんだ…。

だから、友達感覚だったのかな?

「凜姫は、15?」

「そうだよ。…珍しいでしょ、この年で結婚してない姫」

ちょっと笑って言ってみた。

「そうだが…。そしたら、私も珍しいぞ」

「あ…」

本当だ。

お互いに、想い人がいるからか…。

その人以外とは、一緒になりたくない。

そう思ってるんだよな…。

「ははっ!凜姫はおもしろいなあ。はじめての姫だ」

本当におかしそうに笑う、津田さん。

「…それって、やっぱり変ってこと?」

こわごわ聞いてみた。

「まあ、変と言ってしまえばそれまでだが…。そんな姫もいていいんじゃないか?でないと、つまらないだろ」

…人様の楽しみのために、あたしは生きてるわけじゃない…。

とは思ったけど、そういう考え方もありか、と何も言わなかった。

それからあたしと津田さんは、たくさん話した。

蘭のことも、津田さんの想い人のことも。

そして、夜も遅くなってしまったので、津田さんは城に泊まることになった。