六花の約束

「そうなのか。空も私と同じか」

「…身分が、違うんだ。だから…叶わない」

絶対に。

「…私もだ。どれだけ相手を想っていても、身分が違えばすべて終わり」

その通りだ。

なんで、好きな人と結婚してはいけないんだろう。

なんで、身分なんてあるんだろう。

「身分なんて、なくなれば良いのにな」

そう思わないか、とあたしを見て微笑む、津田さん。

「…そうすれば、誰でも、想い人と一緒になれる」

「そうだね。そんな世の中に…いつか…」

いつか、なってほしい。

好きでもない人と、結婚なんてしなくてもいい世の中に。

…あ、着いた…。

「ここだよ」

「おお、そうか。世話になったな、空」

にこにこと言われても…。

「…もしかしたら…」

また会うよ。

言いかけて、やめた。

できれば、見合いをしたくはないから。

姫だと、ばれたくなかった。

友達感覚で…話していたかった。

なのに。

「姫様!凜姫様~!」

日海が、あたしを呼んでいる。

まだ見つかってはいない。

「…早く。早く行って」

「そなたも、一緒に」

「…あたしは、行けない」

行きたくない。

行ったら、あなたは態度を変えてしまう。

もう話せない、身分について。

…蘭のことも、話したかった。

だけど。

「…凜姫様」

愛しい人が、あたしを見つけてしまった。