六花の約束

「空、私たちは迷ってしまったらしい。海瀬殿の城まで連れてってはくれぬか」

……

「はあ!?」

ふざけんなよ。

戻ったら見つかるだろ!

「頼む、空。私たちがここで遭難したまま死んだら、そなたも嫌だろう?」

「…うっ…」

そんなこと言うなんて、卑怯だぁ~!!

人が死ぬのなんて、耐えられない。

「…分かったよ、連れて行くよ。ただし、城下町の下までな」

「助かる」

にこにこ笑っている。

…変わった人だなぁ。

なんか、父上と似てる…?

「では、行こうか」

「はっ!」

三人が歩き出したので、あたしも歩き出した。

「空、そなた、どこの娘だ」

津田さんが聞く。

どこの娘って…。

「何で?」

別に、今日は変な格好していない。

ちゃんと女の着物だし。

「そなた、なぜ髪を結っておらぬ?」

「あ…」

忘れてた。

髪と化粧は帰ってからでいいって言って、何もしていないんだ…。

だから、髪は下ろしたまま。

かんざしもしていない。

「…今日は、たまたま」

本当にたまたまだから、そう言うと、

「教えてくれないのか」

と悲しそうな顔をされた。