六花の約束

何を言っているんだ、俺は。

これじゃ、凜に誤解される。

俺が凜を想っていることなんて、凜にとってはじゃまな枷でしかない。

俺が凜を想っているなんて、誰にも知られてはいけない。

もちろん、凜にも。

「…蘭も、身分違いの恋をしているの?」

悲しそうに俺を見て、そんなことを聞く。

「……そうですね。私の想いは、決して届かない…」

思わず、言ってしまった。

はっとして凜を見ると、泣きそうな顔をされる。

なんで……。

なんで、そんな悲しい顔をするの…?

俺がお前を想っていても、邪魔だろう?

だったら、俺を嫌って。

嫌いになって。

そのためなら俺は…

いくらでも、恨みを買おう。

凜が幸せになれるのなら。

俺一人の犠牲なんて、安いものだ…。