☆凜side☆

蘭が戻ってきてから、7日がたった。

相変わらず、蘭はあたしに敬語を使ってくる。

どうしたらやめさせられる?

あたしはずっとそのことを考えていた。

「…ねぇ、日海。好きな人と距離があったら、どうする?」

あたしは近くにいた日海に聞いてみた。

「ひっ、姫様が好きな人…!?」

……うん、日海に聞いたあたしが馬鹿だった。

「もういいよ」

そう言って剣の稽古に行こうとした。

「あ、お待ちください、姫様。少し驚いただけですわ」

「…ちゃんと答えてくれる?」

あたしは疑いの目を向けた。

「もちろんですっ!主の質問ですもの」

…いまいち信用に欠けるが…。

なんせ前科があるもんね~。

「で、好きな方との距離ですか…」

「そうそう。日海って、好きな人いないの?」

一度聞いてみたかった質問。

「んまあっ、姫様。私に、その、すっ、好きな方なんて…!」

頬を赤らめて言われた。

…いないんかい。

「なーんだ。あたしにはいろいろ言っときながら、いないの?」

つまらん。

「私のことより、姫様ですよ!距離というのは、遠距離ということですの?」

「違うよ。なんつーか…心の距離?」

それとも、思いの違い?

あたしは蘭を想ってるけど、昔みたいにしたいと思ってるけど…。

本当のところ、蘭自身はどうなのだろうか。

あたしと昔みたいになりたいと思っているのだろうか。

「心、ですか…。それは、どうしようもないのでは?」

「え、どうして?」