その後、殿がきて。

また出ていって。

俺も稽古があるからといって、部屋を出た。

これ以上凜と二人きりでいたら、よけいなことを聞いてしまいそうだった。

あの約束のこととか、大切な…人のこととか。

…もう、凜のことを姫として割り切れたら楽なのに。

俺は武士。

ただ、姫を守るだけの存在。

そう思ってしまえば楽なのかな…?

けど、俺が凜を嫌うことなんてできない。

だから、凜。

俺のことなんて好きじゃないってはっきり言って?

俺のことを嫌って?

そして…誰かと早く結婚して…?

そうしなければ、俺は凜を想うことをやめられない。





俺のこの想いは…俺のなかだけにとっておく。

凜がこの想いを消してくれる…?

あなたにこの想いを消されるのなら、本望です…。