六花の約束

大切な、人…?

誰…?

凜、まだその人のこと…?

「あ、そうでしたか。私こそ、姫様に対して失礼をいたしました。申し訳ありません…」

「いや、小太郎が悪いわけじゃないって。あたしの問題だし」

じゃ、と言って凜は去っていった。

「~姫さまぁ!戻りますって!」

「いや!戻って欲しければあたしを捕まえてみなさい、日海!」

凜は走っていってしまった。

「~もう、姫様に勝てるわけがないでしょう!お待ちくださいっ!」

日海と呼ばれた女房は凜を追いかけていった。

…あんな女房、昔いたっけ?

いなかった気がする。

……仲良さそうでいいな~。

俺もずっと、あんな風でいたかった…。

昔みたいに、ずっと変わらずに。

もう過ぎてしまって、無理な話だけど。

「蘭之介!どこだ?」

父上が呼んでる…。

「ここです」

ひょいっと影から出た。

「父上、そんな大声で名を呼ばないでください。姫様にばれたらどうするのですか」

「おお、そうじゃった、そうじゃった」

…ほんと、のんき笑ってる場合じゃなくなるぞ。

「蘭之介。そなた、凜を守る覚悟があるか」

いきなり、殿にそう言われた。

凜を守る覚悟?

そんなもん、とっくの昔からあるよ。

「はい。もちろんです」

「本当だな?…では、そなたを凜の親衛隊隊長とする」

……え?

俺が、凜の親衛隊隊長?

え、え、ええええぇーーー!?