六花の約束

「……あいたい」

つい、声に出してしまった。

まあ聞かれたところで、俺が会いたいのがあの人だなんて、誰も思いはしないだろう。

その時。

「……だからっ…って言ってるだろ…」

争うような声が聞こえてきた。

「ですが……、まだこちらが終わって…」

「ああ、もう!あたしは剣の稽古に行く!」

っ…この、声……。

心臓が、どくどくとうるさい。

なにかに遮られているかのように、うまく息ができない。

どんどん近づいてくる、人影。

……あの人だ……。

俺が、会いたくて、会いたくて…

たまらなかった人…。