六花の約束

城へ帰ると、殿が出てきていた。

「おお、お帰り」

「ただいま戻りました」

「ただいま~。楽しかったよ!」

「そうか、それはよかった」

殿は笑顔で凜を見る。

…仲がよい親子だな…。

見てて和む。

「…時に、蘭之介よ」

「はい!」

ふいに呼ばれ、背筋が伸びた。

何を言われるのかと緊張しながら、殿の次の言葉を待つ。









「孫はまだか?早く孫の顔が見たいのぅ」







「殿!?そ、な、何故そのようなことを…!!!!」

「父上!?何を言って…!!!!」



俺たちは津田殿と同じようなことを言われ、一気に赤面した。

「ほっほっほ、なんじゃ、まだ契っておらぬのか。お花も楽しみにしとるでの」

「父上!!」

……もう、勘弁して…。




殿は愉快そうに笑って、城内へ入っていった。








「…蘭、いろいろ、なんかごめん」

「いや、凜が謝ることじゃない。…俺たちも、入ろう」

「そうだね…」


気まずい雰囲気の中、俺たちは部屋へ向かった。