それから俺たちは、ちょっと遠出をした。

店がたくさん出ていて、人で賑わう小さな場所。

…ここなら目的のものもあるかな。

「わぁっ、蘭、お店いっぱい出てるね!!」

凜はこんなところに来たことがないらしく、はしゃいでいる。

それもそうか、一国一城の姫だもんな…。

こんなところに来る理由がない。

身分が、違いすぎる。

普通ならそう考えるだろうけど。

凜は…楽しくて仕方ないって顔してる。

本当、物好きな姫…。

「じゃあ、片っ端から回ろうか?」

「いいの!?やったぁ!」

屈託のない凜の笑顔を見ていると、こっちも癒される。



この笑顔だけは、もう二度と失わせない。


たとえ辛いことがあったとしても、凜から笑顔を無くしたくない。








ずっと、隣で笑っていてほしいんだ…。