今日は凜と出かける日。
朝から行くつもりなんだけど…。
凜って朝弱いからな。
ちょっと心配。
俺の準備が終わり、凜の部屋の近くに行く。
「凜、準備できた?」
「うん、すぐ行く!」
元気な凜の声が届く。
きっと中には日海さんもいるんだ。
二人で話しているのが聞こえる。
ガラッと襖が開いて、凜が出てきた。
…可愛すぎる…。
淡い桃色に小さな花がちらしてある着物、髪には六花のかんざし…。
綺麗すぎて反応に困る。
「…行こっか」
「うん。…あ」
凜がふと思い出したように俺を見る。
「ねえ、蘭って海瀬の後継者だよね?」
「はぁっ!?それはお前だろ!?」
いきなり何言い出すんだよ!?
「いや、あたし一応女…」
「一応、じゃなくてお前は女なんだよ。ちょっとは自覚しろよ…」
「…だって…」
「今日だって…可愛すぎるんだけど?」
俺がそう言うと、予想通り凜は真っ赤になった。