六花の約束

「…で、実夏樹様」

「なんだ?」

「何故私と会ってくださらなかったのですか」

「うっ…。それを聞くか…?」


私達は無事誤解が解け、私も数日寝込んで風邪が治った。


だから今は実夏樹様に問いただしているところ。

「当たり前です!私が…どれだけ嫌われてると思ったか…」

「それは本当に悪かった!」

「…では教えていただけますね?」

「うっ…」

どうしても実夏樹様は教えてくださろうとはなさらない。

…なんで?





「…会う度に綺麗になっていく君を見て…その…は、恥ずかしかったから…」


実夏樹様は真っ赤になって、そう言った。

「あまり話さなかったのは、好きだってばれそうだったから!緊張して…何も言えなかっただけなんだよ…」


「実夏樹様…可愛い…」

私は思わずそう呟いてしまった。

「…可愛い…?」

まずい、と思ったのは実夏樹様の声を聞いてから。

「俺を可愛いって言った?」

「ひぃっ!」

「君ねぇ…夫に向かってその声はないんじゃない?」

それは私もそう思うけれど!

「だ、だって実夏樹様…目が笑ってないんですもの!」

顔は笑っていて、目が笑っていない。

それは姫様もたまにやるから…怖いことこの上ない。

「で、可愛いって…言ったよね?」

「い、言ってな…」

「言ったよね?」

有無をいわせない圧迫感…。

「言いましたぁ」

私は半泣き状態で、実夏樹様から叱られることを覚悟した。