六花の約束

…そうか。

会いたくないほど、私は嫌われていたんだ。

「…でもね」

「もう、いいです」

あなたの本心は、分かったから。

「私が嫌いなら嫌いと、そうおっしゃってくださればよかったではないですか」

「…何を言っている?」

実夏樹様は分からないといったように、私をみる。

「私なんて後ろ盾もなく、あなたに嫌われていて。…どうしてこんな私を妻にしたのです?好きな人と…一緒になっていれば…」

あなたの未来も、明るかったかもしれないのに。

「…何をどう思っているのか知らないけどね。君と俺は許婚なんだ。結婚しなくてどうする」

ほらね、結局は許婚だから、なのよ。

私たちの意志はない。

「そんなもの、どうとでもなったはずです。…私は両親を亡くしているのですから」

駄目…どんどん自虐的になってしまう。

「…私に会いたくなかったのに…それほど嫌いだったのに…!こうして夫婦になっても、私に指一本触れてこないくせに…!!」

なんで、なんで。

どうして私を選んだの。

可哀想だったから?

親には逆らえなかったから?

そんな同情はいらない。

私が欲しいのは、あなたの愛なの。



でも、それも望まないから。




望むのは、ただ一つ。







あなたの幸せだけ…。