六花の約束

そんな私に、天罰が下ったのでしょう。

私は風邪を引いて、熱を出した。

「こほっ、こほっ…」

今日は…姫様に会えない。

移してしまったら困るから、一日中家にいようと思った。

外は雨だし、誰も来ないだろう。

実夏樹様も…昨日は遅くまで帰ってらっしゃらなかったし。

それにしても…体が重い。

動きたくない。

寂しい。

誰かに側にいてほしい…。







「日海~、大丈夫?入るよ?」

幻聴まで聞こえてきた…。

そろそろ危ないかもしれない。

「ああ、もう無理しすぎなんだよ。お粥作ってもらってきたから、食べよう?」

本当にまずい。

姫様の幻覚まで見えてしまった。

「日海?起きられる?」

私の手を握る、温かい手。

それで、姫様は幻覚なんかじゃないと分かった。

「姫様…なぜ、ここに?」

「日海が風邪ひいたって、実夏樹さんが言ってたからね。お見舞いだよ」

「こほっ…風邪、移ります…」

私は体を起こしながらそう言った。

「大丈夫だよ。ほら、お粥食べて」

姫様は器用に私にお粥を食べさせてくれる。

「…味がない…」

「熱あるからね。食べたら寝るんだよ?」

なんだか…姫様がお母様のよう。