六花の約束

海は大きいのね…。

「私なんて、日海と名付けられたのに…。ちっとも海みたいじゃないわ。大きくて力のあるあなたがうらやましい」

波のこないところにある大きな石に座ってみる。

海を見ていると、自分が小さなことに悩んでいると思わされる。

私にとってみれば、だいぶ重要なことだと思うけれど。

「…はぁ…」

もう何度目か分からないため息を吐く。




私は、こんなにあなたが好きなのに。

あなたは私なんて見てもくれないのよね。

小さいころは、まだ仲が良いほうだったのに。

私は今17で、あなたは20。

…あなたもそろそろ結婚して家を継がなければいけないんじゃないの?




「…もう、めんどうね…」

「何が?」

いきなりふりかかった低い声に驚いて、後ろを振り向く。

すると私の後ろに立って…海を眺めている人がいた。














「…実夏樹様…」


私の、許婚。