六花の約束

姫様が出かけられたから、部屋を掃除していた。

掃除といっても、姫様は綺麗に使われるから…あまりすることがない。

だから私はお城を出て、海へ出る道を歩いていた。

「…はぁ…。許婚、ね…」

許婚といっても、親同士が決めたもの。

私たちの意志はない。

それに…

「私の親は亡くなっているから…。解消とか、できないのかしら」

その方が、あの方のためになると思うのだけれど。

後ろ盾のない私なんかを、嫌いな私なんかをお嫁さんにしたって…あの方のためにはならないし。

考えれば考えるほど、私は無力なんだと思えて仕方ない。

「…はぁ…」

視界が開け、海へ出た。

ざざーん、ざざーんと波打つ音が聞こえる。