六花の約束

「じゃあ、行ってくるけど」

姫様は、今日女物の着物を着ている。

淡い桃色に小さなお花がちらしてある、可愛らしい着物。

髪はいつもと同じだけど…六花のかんざしをしている。

本当に、美しい…。

「はい、いってらっしゃいませ」

その時、ふと声がした。

「凜、準備できた?」

姫様を凜と呼ぶということは…。

「姫様、九条様がいらっしゃってますよ」

「うん、すぐ行く!…日海」

「はい?」

「相談ならいつでも乗るから!」

「…ありがとうございます」

本当に、お優しいお姫様…。

「じゃあね!」

姫様は九条様のところへ行かれる。

二人の会話が、遠くで聞こえる。




「ねえ、蘭って海瀬の後継者だよね?」

「はぁっ!?それはお前だろ!?」

「いや、あたし一応女…」

「一応、じゃなくてお前は女なんだよ。ちょっとは自覚しろよ…」

「…だって…」

「今日だって…可愛すぎるんだけど?」






………こっそり聞いてしまった私が馬鹿でした…。

二人は甘々すぎる。

そりゃあ、ずっと想い合ってすれ違ってきた二人だから…一緒になれてやっと堂々とできるんだろうけど。

場所を考えていただきたいわ…。