六花の約束

「…凜」

「はっ、はぃぃい!?」

ま、まずい…思いっきり声裏返っちゃったよ…。

「そんなに動揺しなくても…。とりあえず、部屋行こう。風邪ひいたら俺が怒られる」

「うん」

蘭が怒られるのは嫌だ。





あたしは素直に部屋に入った。

「はぁ…あったかい」

中には火鉢があって、温まれる。

「蘭も入れば?」

突っ立ったままじゃ、寒いでしょ。

「ん…」

蘭が入ってきて、襖が閉まる。

部屋の中はあたしと蘭の二人。

…二人っきり…。

……父上の馬鹿ぁ!!

あ、あんな話するからっ…!

気まずいじゃん!





「…なぁ、凜。…動揺してる?」

「そ、そりゃあ…少なからず」

「だよな…。俺もなんだけどさ」

そのせいか。

蘭があたしに近づいてこないのは。

「……考えてみれば、俺まだ正式に殿に申し出てないし」

「何を?」

「んー?凜を俺にくださいって」

「っ!?蘭!?」

冗談かと思って、蘭を見る。

でも蘭は…とても真剣な顔をしていた。 






「…本気?」

「ん、本気。…だって、誓ったから。凜と結婚するって。…約束、したし」

くったくなく笑う蘭が、かっこいいと思って。

可愛いと思って。

…愛おしいと、思った。