それからあたしたちは、子ども達と雪合戦をした。

…子どもって、怖いね…。

容赦がない。

まあ、あたしと蘭も容赦なかったんだけど…。

ちょっと大人気なかったかな。





「はぁ、楽しかった~!」

「凜のあの顔は傑作だったな。雪玉当てられて…ぷっ、くくっ…」

「笑うなっ」

仮にも恋仲の女子に向かって顔を笑うとか…ひどくない!?

全く、蘭は乙女心を分かってないよ!

「……………」

「凜?怒ってるの?」

蘭があたしの顔を覗き込む。

「怒ってない!」

「嘘、怒ってるくせに」

…怒ってるって気づいてるのに、蘭は優しい微笑みを浮かべている。

「凜」

呼ばれるけど、返事なんかしてやんない。

あたしは前だけを見て、ひたすら歩き続けた。

「りーん」

後から蘭が追ってくる。

「はあ……ごめんって。…でも、俺にとったらどんな凜も可愛いんだけどね?」

「っ!?」