小道をくまなく探す。

だんだん砂浜が近づいてきて…気づいたら大海原が広がっていた。

太陽の光を浴びて、きらきらと輝いている。

…海の中に、あるのかな…。

ふっと視線を落とすと、きらっと…光るものが見えた。

海の輝きとはまた違う光。

……今は冬。

でも、行ってみる価値はある。

そう思って、俺は冬の海に入った。

「冷たっ…」

着物が濡れて、足が冷える。

気を抜くと動かなくなりそうな足を叱咤して、光っているものがある方へと向かう。

すでに水は膝まできていた。

もう少し…。

俺がその姿を認め、手を伸ばそうとしたと同時に。







「蘭っ…」






ここに、いるはずのない人の…



大好きな、澄んだ声を聞いた。