六花の約束

「…どうぞ、お入りください」

「九条様もいらっしゃるわ、いいわね?」

「っ……はい」

一瞬だけ、凜の苦しそうな顔が頭に浮かんだ。

「失礼します」

俺は部屋に入って…凜を見た。

あの秋の日以来…会ってはいなかった。

どこか後ろめたい気持ちがあった。

だから会えなかった。





その間に、凜は。

とても、とても。

弱っていた…。







「何用ですか?」

「…ごめんなさい、姫。わたくしはあなたにたくさん謝らなければいけないわ」

いきなり頭を下げた奥方様に、凜は戸惑っているようだった。

「母上?なぜ…謝るのです?」

「あなたを傷つけてしまったから」

その、言葉に。

ずきっと、胸が痛んだ━━。