六花の約束

凜の部屋についた。

「わたくし…」

奥方様は今になって迷ったような顔をした。

俺は何も声をかけることができなくて、その様子をみていることしかできなかった。

それでも奥方様は決心したように、俺を見た。

「…あなたも、一緒にいて頂戴」

え!?いやいやいや…無理でしょ!!

とは思ったけど、言わない。

「承知いたしました」

はぁ…なんで。

でもやると言ったかぎり、やる。





「…姫、今よろしいかしら?」

奥方様が、声をかける。

しばらくして、聞こえた…か細い声。

「母上…?」

俺は…狼狽してしまった。

これが、あの凜の声なのか?

いつも堂々としていて、凜とした澄んだ響きはどこにもない。

弱々しくて、今にも泣き出しそうな、か細い声。

…こんな風になるまで、ずっと一人で溜め込んでたんだ…。

どうして俺は気づけなかったんだよ…。