六花の約束

そういえば、十年前。

凜と別れて江戸へ行ったときも…冬だった。

雪が綺麗に舞っていた。

結晶を見たくて、雪が降ってくるのを手にとって、でも見れるわけなくて。

雪は手に触れると、すぐに消えてしまった。

跡形もなく…まるで、儚い夢のように。





ここは、雪が降るのが早い。

積もるときは、すごく積もる。

ああ、雪合戦もやった。

雪玉を作るのに手が凍えて動かなくて。

でも一生懸命丸めて、凜に当ててた。

もちろん凜も負けてない。

「楽しかったなぁ…」

きっともう、そんな日々は訪れない。







いくら輝かしくても、過去は過去。

いくら戻りたいと思っても、戻れるはずがない。



何度、願っただろうか。

目が覚めたらあの頃と変わらずに無邪気なままで。

目の前にはあの頃と同じ景色が広がっていてほしいと。

何度も何度も、願った。

叶わないと、有り得ないと知りつつも、ただひたすらに願った。