あたしは、着物の袖に手を入れて、いつも肌身はなさず持っているある物を取り出した。

それは、かんざし。

白い紙に包まれているかんざしを出す。

紅水晶が六本、花のようになっていて、中心には大きな透明の水晶。

六花のように、つくられている。

これは、あの日に蘭がくれた……。