六花の約束

「…え?」

凜は、予想通りの反応をする。

「蘭…?」

「江戸へ、もう一度剣術修行に行かせてください」

「蘭、なにいってるの!?」

凜が、焦ったよう言う。

「私は、あなたを守れなかった。怪我をさせてしまった。…もう一度、強くなって…」

「馬鹿っ!」

凜はそう言って、立ち上がった。

それにつられて、俺も立つ。

「わがままは承知の上です」

「蘭…やだ…」

そんな顔で、そんなこと言うな。

決心が、揺らいでしまいそうだ。

「十年も…待ったんだよ?」

俺だって、強くなってお前を守るためだけに頑張った。

「やっと…会えたのに…」

会いたくて会いたくて、仕方がなかった。

「なんで…嫌だ。そんなの、許さない」

「凜姫様…」

俺…だって。

もう一度お前のそばを離れるなんて、したくない。

「…嫌だ…嫌だぁっ!」

凜が、俺に抱きつく。

腕を回そうかと思って…やめた。

凜を傷つけてる俺が、凜を抱きしめるなんてできない。

「蘭がいなくなるなんて、やだよ!今のままでいい。わがままも言わない!蘭の言うこと、なんでも聞くから…」

凜は、何かを言いかけて。

それでも…力尽きたのか、そのまま意識を失った。