六花の約束

「ふっ…う………」

あたしは自分の部屋に戻り、声を押し殺して泣いた。

やっぱり、あたしが泣くのは蘭が関わっているときだけなんだね。

「……蘭……」

やっと、やっと会えたのに…。

やっと、約束が叶うって、思ったのに…。

ううん。

本当はとっくに解ってた。

あの約束は、子供の約束。

大人になった今、絶対に叶うわけがない。

結婚しよう、なんて。

姫と武士が?

身分が違いすぎるのに?

守る側と守られる側?

他の姫が聞いたら、冗談はたいがいにしてくださいまし、なんて言うのかな?

解ってた。

けど、解りたく、なかった。

叶わないなんて、思いたくなかった。

認めてしまえば、終わってしまう気がした。

「…蘭…」

あたしは今でも……