「凜っ、無事か!?」

「父上!」

あたしは座っていたから、立とうとした。

…けど。

「…あり?」

ふわ~っとして、立てなかった。

まさか…貧血!?

「…大丈夫ですか?」

「蘭…ごめん」

蘭に抱き止めてもらった。

そんなあたしたちを見て、父上は意味深に笑う。

?なんで?

「殿。戦況は」

「いやの…。次から次へと出てくるのじゃ」

…どんだけ仲間いるんだよ。

「では、私も一緒に」

「うむ、助かる。…相手は素人同然。余裕じゃろ」

「はい。…借りは、必ず倍にして」

…借り?

なんの借りだろ。

ま、いいか。

それより…。

「父上、あたしの剣は?」

「凜、戦う気か!?」

父上も蘭も、目を見開いている。

「え…うん。あ、怪我なら大丈夫ですよ。蘭が手当てしてくれましたし」

他に、何か問題でも?

「問題大ありじゃ!お前は女じゃぞ!?」

「だから何だと言うのです?あたしだって、戦えます」

「…凜姫様!無茶はなさらないでください!」

…二人して言わなくても…。

戦いが好きなわけじゃないけど…。

けど、戦わないで、みんなに何かあったらと思うと…。

怖い。

きっと、後悔する。

なんで、一緒に戦わなかったんだ、って。

そんな後悔…したくない。