蘭は、もう耐えられないとでも言うように。

あたしを…抱きしめた。

「ら…ん?」

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

何故か、何度も謝る蘭。

「守れなくて…ごめんなさい。結局、俺は変わってない…。結局、あなたを守れない…」

なにを…。

「守ってもらって、ばかりだよ…?」

蘭には…ずっと守ってもらってる。

「…あのときは、逃げるだけしかできなかった。今度こそはって…思った…のに。戦えるって…思ったのに…」

「戦ってたじゃん。あたしのことまで的確に指示してくれてさ。それって…すごいよ」

戦いながら、他人に指示を出せる。

それは、すごいことだと思う。

だって…守れるから。

誰かを守りながら、戦えるから。

「蘭は…強いよ」

心からの、気持ち。

「凜姫様…。……申し訳ございません…」

「なんで謝るの…」

蘭は何も、悪くないのに…。