六花の約束

「後は、俺らがやります」

蘭は、怒りで震えていた。

「いや…あたしも」

「何を言うんです!?」

「蘭…顔ひどい…」

あまりにも怖い顔で言うもんだから…。

つい、笑っちゃった。

「…笑っている場合ではないでしょう!?…少しは…俺らの気持ちも…」

「蘭…?」

蘭が、声を震わせて、うつむいてしまった。

「…本当に…怖かった…」

「そりゃ、戦いは誰だって怖いよ?」

別に、恥じることじゃないのに。

「違うっ。あなたを失うかと思うと…怖くて…」

あ…そっちか…。

「ごめん。けど、守れたよ?蘭の母上」

にっこり笑っていう。

守れた。

だから、あたしが少し傷つこうが…。

「確かに、母上を助けてくださったことは、とても感謝しています」

蘭は、親思いだからな。

「でもっ、たとえそれでも、あなたが怪我することは…っ…」

…耐えられない。

小さい声で、そう言った。

「あたしだって…誰かがあたしのせいで怪我するのは、耐えられないよ?」

「…っ…。もう、無茶しないでください…」

「それは…」

無理かもな…。

そう思ってたら。

「お願いですからっ…。ちゃんと俺が守るからっ…。もう傷つけさせないから…だから…」

蘭が、あまりにも真剣に言うから。

あたしは何も言えなかった。

「だから……無茶…するな…っ」