六花の約束

あたしは無我夢中で戦った。

城下町の人たちは、安全なところから見ているから、問題ない。

巻き込みはしないだろう。

気がかりは…美奈子だが。

母上は、逃げただろうか。

…逃げたな。

よし…。

「蘭!…本気でいいぞ」

「…御意」

その瞬間…。

空気が、変わった。

「…死んでも、文句言うなよ…?俺は姫様みてぇに優しくねぇんだ」

「できるだけ…殺してほしくはないが…」

その言葉が届いたかどうかは分からない。

なぜなら…蘭はもう、戦っていたから。

はやっ…。

…あたしの出番、もうないかな…。

なにせ短刀だし。

戦いにくいし。

それに…やりすぎてもう折れそうだ、この短刀。

「…後で謝っておくかな…」

「姫さん、まだ敵はいるぞ…?」

「分かってるさ」

あたしは答えながら、短刀を刺した。

…嫌な、感触。

思わず顔を歪めた。