六花の約束

「はぁ…。では、仕方ありませんね。殿たちがお見えになるまで、二人で…」

「ああ。頑張るしかないでしょ」

「…くれぐれも、無理なさらぬよう」

…それに関しては、はいとは言えないよ。

「できればなっ」

それだけ言って、あたしは敵に突っ込んでいく。

自分のやりたいことをやったほうが、戦いってのはやりやすい。

相手に合わせるのはどうも苦手で…。

しかも、短刀だ。

どう考えても、あたしのほうが不利。

地の利があるとはいえ…。

ここは崖の近くで、落ちれば海だ。

けっこう深かったと思うから…落ちても平気。

ただ、問題は季節だな。

今はそう暑くないから…。

できれば、落ちたくない。

「…と、いうわけで」

お前らには、ここで終わってもらう。

「殺すのか?」

剣を受けながら、話す。

「殺しはしない。…生け捕りだ」

もう二度と、こんなことしないよう。

改心してもらう。

それだけのこと。

殺生なんてしたくない。

「甘いな、姫よ」

「俺たちが変わるとでも思ってんのか?」

「…信じるのは、勝手じゃないか?」

誰でも、変われると。

あたしがそう言ったら、山賊たちは目を見開いた。

そんなこと言うなんて、思ってもみなかったのだろう。

「……変わった姫だ」

「だが、俺らはお前たちを殺す!」

…好きにしろ。

負ける気はさらさらない。