六花の約束

「…何者」

蘭が、低く尋ねる。

「…覚えていない?それもそうか。お前達は幼かったからなぁ」

…誰だ?

汚いなりをしている、奴らをじっと見る。

……あ!

「蘭、こいつら…山賊だ」

あたしの髪を切ろうとした奴ら。

「……思い出しました。ならば余計、許すわけにはいかない…!」

相手は20人くらい。

それに対して…こちらは蘭だけ。

くそっ…武器が、あれば…。

「復讐しにきたんだよ。…凜姫をこちらに渡せ」

「断る。何故やすやす凜姫様を渡さなければならない」

…同感だ。

渡せと言われて、はいどうぞ、なんて言う馬鹿いないだろ。

「そうか。では仕方ない…戦うか。貴様一人で」

「…好きにしろ。俺は負けねぇ」

蘭はきっと、誰にも負けないだろう。

それほど、強い。

ただ…山賊はそれぞれ武器を持っている。

そうなると、やはり蘭一人では厳しいかな…。

近くに人はいる。

城下町の人が、集まったんだ。

「…誰か、武器を持ってこい!あたしが扱えるものを!」

言ってみたが…何もないだろうな…。

「凜姫様!短刀しかございません!」

「……仕方ない…。短刀を貸して!」

「どうぞ!」

あたしは短刀を受け取った。

「凜姫様は戦わないでください」

…こんな時にまで…。

「…人質の解放を、お願いします」

蘭は小声で言った。

…そういうことか。