六花の約束

「だって…蘭が心配だったから…」

いつも蘭は無理をして。

怪我ばっかりしてた。

蘭はあたしの方が無茶ばっかりする、って言うけど…。

正直、いい勝負だと思う。

「…そんなに心配していただかなくても、もう昔とは違います。…やっと、あなたを守れるようになったのですから」

…そうだね。

蘭は、強くなった。

けど、強さが全てじゃない。

強いのは、大切だよ。

大切な人を守れるから。

だけど…あたしは…。

「そんなに強くならなくてもいいよ…」

「え…」

「強くなったら、蘭、あたしを置いてっちゃうでしょ…。そんなの、嫌だよ」

…ずっと、蘭がうらやましかった。

どんどん強くなっていける、蘭が。

あたしは女で、強くなるには限度がある。

その限度は…蘭の足元にも及ばない。

力の差が悔しいんじゃない。

ただ…蘭が遠い存在になってしまうのが…嫌なだけ。

「…置いていくかもしれません。でも、必ず守ります。それが私の使命ですから」

「…分かってるよ。けどね。あたしだって…戦えるんだよ…」

みんなと一緒に。

みんなだけに頼らないように。

頑張って剣術を磨いた。

その理由もあって、あたしは…。

「……凜姫様は、笑っていてください。いつも。それが…私たちの励みになるのです」

「…結局、あたしは何もできない。女だから」

女だから、剣術も強くなれない。

女なのに剣術を学ぶから、母上はあたしの名を呼んでくださらない。

女だから…。