六花の約束

それから俺は天城と試合をして。

もちろん俺の勝ちで。

凜がまだ震えていたから、聖域に連れて行って。

凜の言いたいこと全て吐き出させて。

凜が…抱きしめて、なんて可愛いこと言うから。

俺は全て要望通りにした。

小さいころみたいに…頭をなでて。

あのころよりも、髪は長くなって。

あのころ以上に我慢も知ってしまって。

甘えることを躊躇してしまって。

だけど、凜。

いいんだよ?

俺には、甘えて。

どんな願いだって、叶えてあげる。

俺にできることなら、やってあげる。

我慢なんて…必要ないよ…。

たとえ凜に、好きな人ができて。

結婚することになったとしても。

俺は一生、凜に仕える。

凜と、夫と、その子供を…守っていく。

たとえ、俺の想いが届かなくても。

俺が、凜を守るから。

…これ、新しい約束な…?

凜にはそんな風に言ってないけど。

伝わったかな…あの言い方で。

伝わってるといいな。

…あの約束は、きっともう叶うことはないだろう。

けど…少しだけ。

少しだけ…あの頃に浸っていたい。

…凜も俺も、身分なんて気にしてなかった、あの頃に。