六花の約束

「蘭…あたしね…蘭のこと…嫌うわけないから…。だから…」

凜は、言いたいことを躊躇してしまう。

「…だから?」

ただ凜に楽になってほしかったのか、それとも俺が続きを聞きたかったのか。

そんな簡単なことすら、分からなくなってしまった。

「……あたしのこと…嫌いにならないで…っ…」

…凜…。

ずっと、溜め込んでたんだね。

寂しいのも、苦しいのも…全部。

俺はたまらなくなって…凜をきつく抱きしめた。

…もう、大丈夫だよ。

そう、気持ちを込めて。

「…嫌いになんて、なるはずないです。仕事だからじゃない。凜姫を嫌うなんてこと…俺にはできない…」

「蘭…」

そうだ。

どれだけ表面上嘘をつこうと。

凜に嫌われたいと理性で本能を抑えようと。

…結局俺は、凜を嫌えない。

嫌ってほしくない。

…なんて…わがままな奴だよ、俺は…。

それから、俺は凜が泣き止むまでずっと抱きしめてた。

泣きやんでも…離れたく、なくて。

適当に理由をつけて…抱きしめてた。

俺、凜の部下として…失格だよな…。

自分の主を、本気で愛してしまっているのだから…。

けど、それがいけないというのなら。

俺は…部下失格でいい。

もう、嘘はつかない。

凜が…好きだ。