六花の約束

だけど天城は。

凜の手首を掴んで、無理やり立たせた。

「…いたっ…」

凜は苦しそうに顔を歪めた。

そりゃそうだ。

昨日怪我したところを、思いっきり掴まれたんだか。

しかも…男に。

むかつく。

今すぐ…ぶっ殺してやりてぇ。

でもさすがにそれはだめだから、冷静さを保ちつつ…。

「お前ごときが、凜を名前で呼ぶんじゃねぇよ」

「それはあたしの台詞だっ!お前なんかに呼ばれたくな…」

「ああ?俺に逆らうのかよ」

そのすぐ後。

鈍い音が響いた。

…え?

俺の目に映ったのは、倒れている凜。

唇から…血が出ている。

「凜姫!」

凜が…殴られた?

「貴様…!凜姫に何を…!」

許せねぇ、もう理性も何もあったもんじゃねぇ。

「凜姫~?お前、凜のなんだよ」

「…凜姫の親衛隊隊長、九条蘭之介」

「俺とやるってのか?」

…そうしてぇよ、今すぐ。

お前の同意なんてなしで。

「…お前が望むのなら」

こんな奴になら、余裕で勝てる自信があった。

「…凜がどうなってもいいのか?」

天城は凜に剣の先を向けた。

…いつでも、殺せる状態。

「!…貴様…」

ふざけるな。

凜を殺すくらいだったら、俺を殺せ。

凜に手ぇ出すんじゃねぇよ…!